プロジェクトストーリー

project story

プロジェクトストーリー

Project 02

国家プロジェクト
「浮体式洋上風力発電設備」の
解体工事を施工!

outline プロジェクト概要

資源エネルギー庁が、実証実験を行っていた「浮体式洋上風力発電設備」の解体工事に携わりました。株式会社吉田組を中心とする共同企業体が受注し、2021年から2022年にかけて行われた一大プロジェクトに、イボキンと子会社である国徳工業が共同で参画し、難工事の成功に貢献しました。

当社の関与した期間
■工期:2021年8月~2022年2月
■工事場所:横須賀沖、東京湾造船所ドック内

脱炭素社会に大きく期待される「洋上風力発電」。

脱炭素社会に大きく期待される「洋上風力発電」。

脱炭素社会の実現に向けて再生可能エネルギーの普及が世界的な命題となる中、海に囲まれた我が国においては、「洋上風力発電」が大きな役割を担うことを期待されています。
経済産業省と国土交通省が2020年末に洋上風力発電の官民協議会を開き、2040年の発電能力を最大4,500万キロワットとする目標を決めました。これは原発約45基分に相当する非常に大規模で野心的な計画であり、いかに大きな期待が寄せられているかがわかります。

一大国家プロジェクトの中、重要な事業を担う。

一大国家プロジェクトの中、重要な事業を担う。

洋上風力発電設備には着床式と浮体式がありますが、特に日本の海域条件を考慮すると、将来的には浮体式の普及が重要なポイントであり不可欠と言われています。今回、解体した対象設備は、経済産業省が2012年から始めた実証研究事業で、数種類の浮体構造の洋上風車及び洋上変電所において、さまざまな検証がされてきたものです。実証研究を終え解体することになり、その事業を、株式会社吉田組を中心とするコンソーシアムが受注、当社は、これまで培ってきた知識と経験が評価され、全体計画の中で「解体工事」と「資源リサイクル」における作業を請け負いました。

難工事を「無事故・無災害」で乗り切るために。

難工事を「無事故・無災害」で乗り切るために。

解体する対象設備は3つの構造物でした。浮体式洋上風車が2基、浮体式変電所が1基です。
それぞれが1万トン前後の重量という巨大な構造物でした。
まず、福島県沖から東京湾まで曳航され、次に横須賀沖合で高層部分(風車ブレード、風車タワー等)の撤去が行われ、その後に造船所ドックに入渠(にゅうきょ)されてから本格的な解体工事がスタートです。鉄とコンクリートの複合構造で非常に堅牢な作りであり、高度な技術と、多くの労力が必要でした。

現場では、多様な作業を行いました。
・造船所ドック内での解体でしたので、500t吊の門型クレーンを使用し、50~100tサイズの大バラシ解体を行い、ドックから陸揚げし、さらにトラックサイズに解体していく作業
・大量のコンクリートの斫り(はつり)作業、及びそれらを鉄製コンテナに入れて地上に楊重する作業、
・巨大な係留アンカー、係留チェーンの解体・引き取り作業
・風車ブレードの切断作業
・大型トランスの撤去作業 など

現場では、多い時には6~7か所にて同時並行で作業が進む中で、全体の作業進捗管理、解体材の搬出管理を進めました。
これまでにない新しい構造物で、想像以上に堅牢な作りで苦労はありましたが、現場の職人さんと日々意見を出し合いながら、より安全で効率的な作業を探求していきました。

そして、イボキン、国徳工業、他の協力会社様が一丸となって取り組んだことで、無事故無災害で作業を終えることができました。

資源として最大限に有効活用する使命。

資源として最大限に有効活用する使命。

解体作業だけでなく、解体した資材等から資源を取り出し再利用、再活用できることが、私たちイボキンの大きな強みです。今回も、解体現場から出た、鋼材、コンクリート、その他設備の再資源化、再利用を担いました。鋼材、コンクリートはすべて再資源化されています。また、その他設備においては、そのまま使用できるものはリサイクルする、廃棄物は適切に仕分けし適正処理を行うなど、解体現場から出る資源を最大限活用できるようにしました。

環境循環型社会の形成に貢献するために

環境循環型社会の形成に貢献するために

今、欧米を中心に広がる「サーキュラーエコノミー」という概念においては、自然界からまったく資源を取り出さない社会を目指しています。今、すでに使われている資源のリサイクル、リユースですべての資源をまかなおうというものです。天然資源の乏しい日本にいて、とても重要な概念であり、資源のリユース・リサイクルを事業として行う私たち産業廃棄物処理業界は、その中心にいる存在と言えます。そういった視点においても、今回は、日本の未来の資源エネルギー政策に関わる、このような名誉ある事業に従事させていただき、大変貴重な経験となりました。
本工事で培った知識経験を活かして、これから益々拡大発展していくべき風力発電産業の一翼を担っていけるようになりたいと思います。
株式会社吉田組様をはじめとして工事関係者の皆様、工事にご協力いただきました協力会社の皆様、誠にありがとうございました。

委託者 : 経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 新エネルギー課
受託件名: 「 令和3年度福島沖での浮体式洋上風力発電システムの実証研究事業(風車及び浮体等の撤去実証に係るもの)」
受託者 : 株式会社吉田組、ジャパン マリンユナイテッド株式会社、日揮株式会社、日本風力開発株式会社、大成建設株式会社
写真提供 : 経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 新エネルギー課、株式会社吉田組

環境循環型社会の形成に貢献するために
イボキン社員クロストーク

入社2年目~5年目、新卒入社、中途入社と
さまざまな経歴を持つ4人の社員による座談会。
入社のきっかけから仕事のやりがいや
休日の過ごし方などプライベートまで、
イボキンで働くリアルを語ってくれました。

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